新聞紙上で「経営統合」という言葉を見かけます。
「経営統合」とは字のごとく広く「経営を統合する」ことを指しますが、主に複数の会社が持ち株会社を作り、その傘下に入ることを言います。
例えばA社とB社が持ち株会社であるXホールディングス社を立ち上げ、そのXホールディング社の傘下に子会社としてA社とB社が入ります。
A社もB社もXホールディングの子会社となりますので、A社もB社も存続し消滅会社がありません。
合併においては必ず消滅会社がありますが、経営統合では消滅会社がありません。
次に買収です。
買収はひとつの会社が他社の株式を取得することによりその会社を子会社化をすることです。
買収は株主の構成が変化をするだけで、会社が消滅することはありません。
全ての会社が存続するのが経営統合や買収であり、かならず消滅会社が存在するのが合併と考えていただいて良いでしょう。
合併と違い、経営統合と買収は双方とも全ての会社が残り消滅する会社がないので、必ず皆さんの周りに変化が起きるわけではありませんし、場合によっては何も変わらないかもしれません。
しかし、経営統合や買収を機に会社のトップが入れ替わったり、事業運営に親会社の意向が反映されたりと、会社に変化が起きる要因が生まれる可能性があります。
現に経営統合や買収により事業の見直しを行い、組織の再編や人員削減を行う事例も見受けられます。
これらは正しく変化であり、それらの変化は社員にも変化を求めることになるでしょう。
なんらかの変化がある以上、社員の目線で見れば、経営統合も合併も名前は違えど合併と意味するところは同じでしょう。
現に経営統合や買収されることが決まった会社に勤務する社員が口々に不安を訴える報道などを見るとこの理解はあながち間違ってはいないと思います。
イザというとき慌てずに済むように、経営統合や買収だとしても合併と同じ心持で臨むことをお勧めします。
(Kawashima)