皆様の周りにもしかしたら困った社員がいるかもしれません。
例えば働く意識が低かったり、仕事に対する責任がなかったり。
また、周りと協調をしようとしなかったり。
確かにどれもこれも、困ったものですが、私が人事の責任者をしている中で、最も困る社員は“会社に不満たらたらなのに、いつまでも会社に居続ける社員“です。
もう少し、具体的に説明すると“自身の仕事が正当に評価されていない、活躍できる場はないと感じていて、なんとか自身の環境を変えたくても、その勇気はない”社員とでもいいましょうか?
その様な社員の共通した特徴は、なぜ評価をされていないのか、そして活躍できる場がないのか理解をしているはずなのですが、認めようとしない、認めてもそのようになった責任のすべてを他人に転嫁しようとする社員です。
現状に大きな不安を抱えているので、その不満のすべてを会社にぶつけ、ストレス発散を図ろうと目論むのです。
会社に対する不満が自身の行動基準の全てなので、何かにつけて会社を批判します。
「会社はこんな誰でもわかることを考えてこなかったのか?」、「この会社は問題だらけだ。」
というわけです。
会社が社員を思い、そして社員のために良かれと行ったことも、悪意に受け止めます。
「これには何か裏があるに違いない」、「こんなことで社員をごまかせるとでも思っているのか?」
とこのような発言をしだします。
そのうち会社の業績が下がると内心で大喜びをし、会社に何か失敗が起こることを心待ちにするようになります。
そんなに嫌な会社であれば、社外に出れば良いと思うのですが、果たして自分自身が社外で通用をするのか全く自信がないのです。
本音では社外に機会を求めることを切望しているが、自分自身にその力がないのは、わかっている。さりとて現状には満足できない。
このような社員に困る理由は、そのような会社に対する不平不満を自身の周囲に巻き散らかし、信者を作ろうとするのです。
類は類を呼ぶとはよく言ったもの。
その様な社員は自然と集まっていていき、会社の雰囲気を対立的に、ギスギスしたものに変えていきます。
なにより無駄なのは会社はこのような社員まで、給与を払いそれ相応の時間と労力を使わなければいけないという事実です。
「首を切ってしまえば良い」という方がいそうですが、現実的にそうそう首を切れるものではありません。
さてこのような社員はどうすべきなのでしょうか?
頭が痛い限りです。正直、回答が見つかりません。
なぜならそのような状態になると本人の意向を反映して、新しい職務を与えたとしてもそれすら悪意で捉えられてしまいます。
一つ大切なのは、合併にしろ経営統合にしろ、また事業売却にしろ、組織の大きな変化はこのような社員を生み出す事態を生じさせる可能性があります。様々な変化の中で社員がそのような心境になる前に社員と向き合い、本人が活躍できるであろう居場所も出来る限り見つける努力を差し上げることが必要なのでしょう。
(Kawashima)